歯を失った際の治療は、入れ歯(義歯)やブリッジが一般的でしたが、近年、インプラントが普及しています。
インプラントは、チタン製の人工歯根を顎(あご)の骨に埋め込み、その土台の上に人工歯を形成することで、天然歯のような噛み心地と見た目を実現できます。部分入れ歯やブリッジとは異なり、健常な両隣歯に負担をかけることなく、歯を削ることなく残存率も高い治療法で、他の治療法に比べて安定感や使い心地が良いとされています。
その秘密は「支えの強度」にあります。
思いっきり歯を噛みしめた時、人間は約70㎏の咬合力だといいます。
日常的に食事をとる時の咬合力は、男性で60㎏、女性で40㎏ぐらいです。
こうみると、噛む力はその人の体重ぐらいというのがわかります。
さらに、夜間の歯ぎしりでは、顎骨に500㎏〜1000㎏荷重がかかり歯牙単位では、250㎏の荷重がかかると言われています。
根っこ部分が顎骨に支持されている天然歯は、その力に耐えうるようにできているわけで、インプラントはその天然歯と同じように、硬いものを食べたときの違和感や痛みに悩まされることはありません。まずは、お気軽にご相談ください。
 
このような症状でお悩みの方にお勧めです
- 抜けた歯が気になる方
- 入れ歯やブリッジを使用しているがよく噛めない方
- 入れ歯に強い違和感がある方
- 部分入れ歯などの金属バネ(留め具)が気になる方
- ブリッジなどで健康な歯を削りたくない方
- ご自分の歯で噛んでいるような感覚を得たい方
- 義歯などの影響で口臭が気になる方
 
インプラント治療の適応条件
インプラント治療を行うにはいくつかの条件があります。まず、土台となる歯槽骨が健康であることです。顎骨が足りない場合は、骨を補う「骨造成」が必要になり、神経との位置関係や歯周病の進行程度なども評価する必要があります。
また、インプラントは外科手術ですから全身の健康状態が良好である必要があり、持病、(心疾患、骨粗鬆症、糖尿病など)がある場合、施術が難しいことがあります。
顎が完全に成長していない成長発育中の子供も適していません。
術後、歯科での定期的なメンテナンスと毎日の丁寧なブラッシングも大切です。これらをきちんと行わないと歯周病に似たインプラント歯周炎を起こし、土台の骨が侵され支えられなくなることもあります。
 
インプラントの構造と素材
インプラントは基本的に3つのパーツからできています。土台となるのが歯槽骨に埋め込むインプラント体と呼ばれる人工歯根です。材質はチタンあるいはチタン合金で、様々な長さや太さがあり、骨量や埋める位置によって選択します。その上に上部構造と呼ばれる人工の歯をかぶせます。当院では人工歯の材質にジルコニアを使用しています。人工歯根と上部構造の間にはアバットメントという部分があり、2つを連結するとともに人工歯根を守る役割を担い、当院ではチタン、チタン合金、ジルコニアなどを使用しています。