
おとなの予防歯科
おとなの予防歯科
出典:日本歯科医師会 HAPPY SMILE Vol.26
“お口の健康”は口だけにとどまりません。お口の健康が全身の健康に影響していることが近年わかってきました。高齢期になっても歯が多く残っている人や、歯が少なくても義歯などを入れている人は、認知症の発症や要介護状態になる危険性が低いということが発表されました。
歯を失ったままにしている人は、歯が20本以上残っている人や歯がほとんどなくても入れ歯などにより噛み合わせが回復している人と比較して、認知症の発症リスクが最大1.9倍になるという報告があります。この理由として考えられる仮説がしっかりと噛むことができないと記憶や空間認知能力など脳の機能が低下する可能性があるということです。認知症についてはまだ解明されていないことも多いため噛むことですべてを解決できるわけではありませんが、そのリスクを下げるひとつの可能性が示されました。
また、歯が19本以下で入れ歯を使用していない人は、20本以上保有している人と比較して転倒するリスクが2.5倍に高まるという研究結果のほか、保有する歯が19本以下の人は、20本以上の人と比較して1.2倍要介護状態になりやすいという結果も発表されています。つまり要介護状態になる危険性も歯が多い人ほど少ないといえます。
これらの結果から、しっかりと若い時からお口の健康管理を行うことが高齢期の健康の向上にもつながるということが考えられます。
むし歯とともに歯科の二大疾患と呼ばれる歯周病。歯を失う原因の第1位となっています。その歯周病がお口の中だけにとどまらず、全身に影響を与え様々な病気や問題の原因のひとつとなっていることがわかってきました。
「健康が全てではないが、健康を失うと全てを失う」歯を守ることは、あなたの人生を守ることにつながります。
あおい歯科は、予防を第一に考える歯科医院です。最近では、テレビCMなどでも「予防歯科」という言葉が使われるようになってきました。予防歯科とは、むし歯や歯周病で痛くなってから歯科医院に通うのではなく、むし歯や歯周病にならないために予防する歯科治療のことを言います。歯は、削ってしまえば二度と元には戻りません。いくら歯磨きを毎日丁寧にしても、全ての汚れを除去できるわけではなく、磨き残しはできてしまいますし、いくら毎日、自分で歯の状態をチェックしても、歯科医にしか見つけられない症状もあります。むし歯や歯周病になって歯科医院に行き、削って詰めて、被せる治療の繰り返しが今までの歯科治療でした。あおい歯科では、予防という考え方を皆様に周知し、むし歯や歯周病にならないために予防する、しっかり治療した後は歯科医、歯科衛生士のプロフェッショナルケアと、ご自身で行うセルフケア方法をしっかりお伝えすることで、むし歯や歯周病にならない健康なお口を保っていくことをゴールとして考えています。メンテナンスでは最新の機器ペリオメイトを使用し痛みの少ない「エアフロー」によるクリーニングを行っています。削って詰めて、被せる治療の繰り返し、そうやって歯が弱っていくのを待ち続ける治療は終わりにしませんか?あおい歯科は、予防でお越しいただく患者様が大半を占める、そんな歯科医院を目指します。
歯科医院は歯が痛くなったり、むし歯の治療をしたりする時だけに行くもの、と思っていませんか?もちろん、お口のトラブルに気づいたらできるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。しかし、生涯を通してお口の健康を守るためには、病気を未然に防ぐ「予防」と「メンテナンス※」が重要です。歯を失う原因のほとんどはむし歯や歯周病などの病気です。つまり、これらを予防すれば歯を失うリスクを大幅に軽減できます。予防歯科とは、むし歯や歯周病などの病気にならないようにしっかり予防を行うことで、あおい歯科では定期的な受診をおすすめしています。全身の健康維持とともに、予防歯科を実践して生涯ご自分の歯でおいしく食事ができるようにしましょう。
予防歯科の中心となるのはセルフケアと定期的なメンテナンスです。「予防」の基本は毎日の歯みがきですが、歯と歯のすき間や歯茎の溝、奥歯の噛み合わせ部分の溝などの汚れは、セルフケアで完全に除去することはできません。そのため、毎日歯みがきをしていてもむし歯になってしまうことがあるのです。徹底的にお口の中の汚れを除去できるのが、歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルケアです。定期的に専門家の歯のクリーニングを受けて、お口の汚れを除去すれば、細菌の温床となるバイオフィルム(強力に付着した多種の細菌の膜)や歯石を取り除くことができ、むし歯や歯周病などのリスクを低減できます。
プロフェショナルケアでは歯垢や歯石の除去をはじめ、口腔内診査、歯みがき指導などを行います。
PMTCとは、専門家が専用の機器を使用して歯を磨き上げる(Professional Mechanical Tooth Cleaning)という意味の略称です。毎日の歯みがきでは落ちない歯の汚れやバイオフィルムを、予防ケアのプロである歯科医師や歯科衛生士が、専門の器具と専用のペーストを用いて、歯面とその周辺の歯周組織から徹底的に除去していきます。このクリーニングによって、汚れの再付着の予防も期待できます。
歯石は歯垢(プラーク)が石灰化してできた硬い塊で、歯みがきなどの通常のセルフケアでは除去できません。歯科ではスケーラーという専用の器具を使用して、歯の表面や歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)内にある歯垢や歯石を徹底的に除去します。このスケーリングは、初期の歯周病(歯肉炎)を改善する治療としても行います。
エアフローは空気と水、そして微細な粒子を歯に吹き付けることで、歯の表面や歯間の汚れや着色をやさしく取り除く方法です。従来のスケーリングやポリッシング(歯面の研磨)は、歯の表面に付着した汚れや歯石を取り除くための一般的な方法ですが、これらの施術は歯や歯茎にスケーラーという器具を直接当てて除去するので患者様にとって痛みや不快感を伴うことがありました。
そこで注目されているのが「エアフローでのクリーニング」です。金属製の器具を歯や歯茎に直接当てないため、痛みが少なく、歯や歯茎にかかる負担が軽減され、より快適にクリーニングを受けることができます。
粒子はパウダー状で、小さな粒子を吹き付けながらジェット流水で同時に洗い流し、こびりついた歯垢や汚れをしっかり取り除き、歯に優しくダメージを与えません。エアフローを行ったあとは、歯の表面がツルツルします。歯垢や歯石、バイオフィルムなどの再付着も防ぎ、むし歯や歯周病などのリスクを低減できます。
フッ素塗布は小児歯科専用と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、成人のむし歯予防にも効果的です。フッ素(フッ化物)にはその科学的特性から、「初期のむし歯を治す」「歯のエナメル質を強くする」「むし歯菌の活動を抑える」という効果が期待できます。定期的なフッ素塗布で歯をコーティングすることによって、むし歯を予防します。
一人ひとり歯並びも違いますし、歯みがきの仕方にも癖があります。ホームケアの指導では、各個人に合わせた歯みがきの方法や、歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスの選び方などをお伝えし、ご自宅でのホームケアをより効果的に行えるようにサポートいたします。
むし歯菌は人から人に感染します。とくに問題となるのがミュータンス菌で、一旦口の中に大量に感染するとなかなか排除できないという大きな問題があります。実は、産まれたばかりの赤ちゃんにはむし歯菌(ミュータンス菌)がいません。赤ちゃんにむし歯菌がうつるのは、たいていご家族からです。密接に関わるお母さんが一番手で、口移しで食べさせたり、親の箸やスプーンで食べさせたりということでうつってしまいます。むし歯菌に感染しやすい時期は、奥歯(乳臼歯)が生えそろってくる「19カ月から31カ月(1歳7カ月から2歳7カ月)」頃といわれています。むし歯予防には、砂糖の摂取を控え、養育者が仕上げみがきを行って歯垢を落とし、またフッ化物(フッ素)を利用することが推奨されています。
日本小児歯科学会から、「母親をはじめとする養育者から子どもへ、むし歯の原因菌は伝播することが明らかになっています。養育者から子どもへの伝播を生じる原因としては、家庭での生活におけるさまざまな接触が考えられ、食器やスプーンなどの共有がその一つになっている可能性は否定できません。しかし、むし歯の原因菌が子どもへ伝播することを最小限にとどめるためには、食具を共有しないことに限らず、養育者がきちんと歯科健診を受けてむし歯や歯周病のない口腔内を保ちながら子育てをおこなうことが、子どものむし歯を予防する上でも大切であると考えています。」
小児歯科で定期検診やブラッシング指導を受けることもおすすめです。フッ素塗布はむし歯菌から作られる酸の生成を抑制する効果が期待でき、とくに乳歯や、生えたての永久歯にはむし歯予防効果が大きいとされています。シーラントはむし歯になるリスクが高い歯の溝を、歯科用プラスチックで塞ぎ、汚れがたまらないように処置する治療です。乳歯は形が複雑なため、シーラント処置は効果的です。とくに奥歯の深い溝は汚れがたまりやすく、むし歯になりやすいところです。6歳臼歯(第一大臼歯)、第二大臼歯が生え出したらできるだけ早いうちに溝をコーティングするシーラント処理をおすすめします。
1
問診票の記入
来院後、まず問診票の記入をしていただきます。
2
カウンセリング
歯科医師がご記入いただいた問診票を確認しながら、お口に関するお悩みや気になっていることについて伺います。
3
歯周基本検査
むし歯や歯周病の状態、また、将来むし歯や歯周病になりやすそうな部分をチェックして、ご説明します(必要に応じて、口腔内写真、デジタルレントゲン検査を行います)。また、すぐに治療が必要な歯があった場合には応急処置を行います。
4
お口のプロフェッショナルによるケア
お口の状態と生活環境に合わせて、食事アドバイスや正しいホームケアについて指導します。また、歯垢や歯石の除去、コーヒーやお茶、タバコなどによる歯表面の着色除去、フッ素塗布などを行います。